【豆知識1-2】鍼灸を学ぶ場所②

「はり処 愈鍼(ゆしん)」院長の小泉です。

さて、本日は先日の【豆知識1】の続きを更新していきたいと思います。

 

前回の【豆知識1】では鍼灸治療を行える職業は①鍼灸師と②医師であり、①の鍼灸師になるために鍼灸を学ぶ場所は「鍼灸専門学校」・「鍼灸大学」・「視覚支援学校」の3つがあるというお話をいたしました。

 

今回は「医師が鍼灸をどこで学ぶのか?」についてです。

 

鍼灸治療を行う職業②の医師ですが、医師は簡単に言うと「医学に関わることは大概出来る国家資格」と言えます。

ですので、当然医師も鍼灸をすることが出来ます。

 

鍼灸師は学校教育の中で必ず鍼灸の実技教育が義務づけられています。

要するに「自分自身に鍼を打つ」・「学生同士で鍼を打つ」などということを、必ず学校で行っています。

 

一方で医師は医学部の教育で鍼灸を学ぶことは殆どありませんでした。

 

最近までは。

 

実は2001年から医学部の「医学教育モデル・コア・カリキュラム」の一般目標の到達目標に「和漢薬を概説できる」が追加されました。(平成28年の最新改訂によると、「漢方医学の特徴や、主な和漢薬(漢方薬)の適応、薬理作用を概説できる」とより詳細になっています。)

和漢薬というのはいわゆる「漢方薬」のことです。

 

これにより医師も医学部における教育の中で東洋医学を学ぶことになり、平成25年の文部科学省医学教育課によると、当時の全国79医学部のうち漢方薬に関する授業項目を設けている医学部は79大学(つまり全医学部で実施)であり、鍼灸に関する授業項目を設けている医学部は全国で33大学(全医学部中約42%)あるとのことでした。

 

さて、タイトルの「鍼灸を学ぶ場所」の最後ですが、もうお分かりですね。

 

「鍼灸専門学校」、「鍼灸大学」、「視覚支援学校」、そして「医学部」です。

 

もちろん前述したように、全ての医学部で鍼灸に対する教育が行われている訳ではありませんし、鍼灸を教育に取り入れている医学部に関しても、内容は「鍼灸にちょっと触れる」程度が実情のようです。

ですから、「鍼灸を学ぶ場所」に医学部はかなり大げさかもしれません。

 

しかし、院長が先日参加させていただいた、全日本鍼灸学会東北支部学術集会(会場は東北大学の医学部でした。)の特別講演で講師を務められた高山真先生(東北大学病院 漢方内科 准教授)のお話の中に、現在の医学部の中での鍼灸教育について触れられている部分があり、医師に鍼灸を理解していただくための教育としては本当に素晴らしい内容だと感じました。

医師は「鍼灸のプロ」になる必要は無いので、「触れて知る」だけでも十分だと感じますが、東北大学の医学部ではそれ以上に工夫した教育を実施されています。

鍼灸専門学校で教壇に立つ身としては、「鍼灸のプロ」を育てる専門学校なども頑張らないとと思わざるを得ません(^^;)

(余談ですが、高山真先生のご講演のあった全日本鍼灸学会東北支部学術集会では、東北各県の鍼灸学校の学生の方の発表もあり、院長が座長を務めさせていただきました。学生の皆さんの素晴らしい努力を最前列で拝見することができました。)

 

「鍼灸を学ぶ場所」、豆知識になったでしょうか?

 

次回は茶話会Blogを更新していきます。今回の豆知識が教育についてでしたので、次回のBlogは「研修」をテーマにしたいと思います。

最後までお読みいただき有り難うございました。

ではまた。