【第11話】愈鍼の鍼灸施術~腰痛の施術について②~

いよいよ12月に入り、「腰痛」や「肩こり」が悪化しやすい時期になりました。

ということで、今回は愈鍼の鍼灸施術の慢性腰痛篇です。

 

近年、骨折や内臓疾患などが原因となる腰痛(特異的腰痛)以外の慢性腰痛(非特異的腰痛。腰痛としては圧倒的にこちらが多い。)の原因に大きく関与していると言われているものの一つに、「社会心理的要因」が挙げられます。

難しく、聞き慣れない言葉だと思いますが、ざっくばらんに言うと「精神的なストレス」です。

 

東京大学医学部附属病院特任教授の松平浩先生の著書によると、慢性腰痛の原因が精神的なストレスにより、脳の一部の機能が正常に働かなくなり、痛みが慢性化するメカニズムが解明されてきています。1)

これは厚生労働省も注目しており、現在整形外科の医師が診療の根拠にする『腰痛診療ガイドライン』においても、心理社会的要因による慢性腰痛については取り上げられ、治療においては「認知行動療法」や「運動療法」の有効性が示唆されています。2)

 

また、アメリカの内科学会では、急性腰痛・慢性腰痛共に薬物治療を第一選択とせず、鍼治療を含めた様々な治療法を選択すべきとしています。3)

 

愈鍼の施術においても慢性腰痛の患者様に対しては、局所施術では無く、手や足の経穴を使用し、「精神的なストレスの緩和」を行います。

施術を受けられる方の感想は「腰に施術をしていないのにすごく良い!不思議!!」なんて言われることもありますが、実は愈鍼で行っている「古典的な鍼灸愈鍼」(東洋医学的な治療)では「緩則治本」という言葉があり、慢性的な症状の場合は症状にとらわれず身体の本質的な施術をしましょうと遙か昔から言われているのです。

 

最新の医学的知見が、実は数千年前から言われているというのは実に興味深い話だと院長は考えています(^^)

 

是非はり処愈鍼の腰の施術だけでは無い、「慢性腰痛施術」を受けていただければと思います^_^

 

本日も最後までお読みいただき有り難うございました(^o^)

 

ではまた。

 

引用

1)松平浩:腰痛は「動かして」治しなさい 講談社,2016

2)日本整形外科学会、日本腰痛学会:腰痛診療ガイドライン2012 南江堂,2012

3)ヘルスケア セラッピー:日本はガラパゴス?日米『腰痛治療ガイドライン』に見る違い

https://www.therappy.jp/back-pain-treatment-guidelines/